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三王行政書士法人SANNO GYOSEISHOSHI CORPORATION
特定技能

特定技能の新分野
リネンサプライ・物流倉庫・資源循環を実務目線で解説

特定技能の対象分野は拡大が続いています。今回、企業からの相談が増えると考えられる「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」を取り上げ、対象業務だけでなく、技能評価試験がいつ始まるのか、現時点でどこまで受入れ準備が進んでいるのかを整理します。

最初に結論

「対象分野に追加された日」「技能試験が始まる日」「実際に在留資格を申請できる日」は同じではありません。新分野では、この3点を分けて確認することが重要です。

1.リネンサプライ分野

リネンサプライは、ホテル、旅館、病院、介護施設等で使用されるシーツ、タオル、衣類等を回収し、洗濯、仕上げ、検品、出荷する事業です。厚生労働省は、2026年6月1日から特定技能1号(リネンサプライ分野)の在留資格申請が可能になったと公表しています。

主な対象業務

  • リネン類の入荷・仕分け
  • 洗濯・乾燥
  • 仕上げ・検品
  • 結束・出荷
  • これらに付随する業務

試験の開催予定

特定技能1号では、原則としてリネンサプライ分野の技能評価試験と、日本語能力A2相当以上の試験合格が必要になります。ただし、一定の技能実習修了者については試験免除となる場合があります。

2026年10月4日現在、一般受験者向け技能評価試験の具体的な開催日は公式ページ上で公表されていません。制度上の申請受付は始まっていますが、新規試験ルートで採用する場合は試験実施機関の公表を継続確認する必要があります。

2.物流倉庫分野

物流倉庫分野は、2026年1月23日の閣議決定で特定産業分野に追加されました。従来、倉庫内のピッキング、仕分け、検品等を主たる業務として「技術・人文知識・国際業務」で雇用することは難しく、物流業界では外国人採用の選択肢が限られていました。特定技能の対象化は、実務上かなり大きな変更です。

主な対象業務

  • 入出庫貨物の受渡し
  • 検品
  • 貨物の移動・格納
  • ピッキング
  • 流通加工

ただし、「倉庫で働く会社ならどこでも受入れ可能」という制度ではありません。登録倉庫業者、登録倉庫業者から委託を受けて当該倉庫内で作業する事業者など、受入機関側にも分野独自の要件があります。

試験の開催予定

国土交通省によると、物流倉庫分野の特定技能1号技能評価試験は2026年2月末までに試行試験を終了し、試験の適正性について了承を得る手続を進めています。

一方、本試験の開始時期は2026年9月時点で「現在調整中・未定」です。試験実施要領も今後公表予定とされています。

育成就労技能評価試験については、育成就労制度が始まる2027年4月以降の開始が予定されています。

3.資源循環分野

資源循環分野も2026年1月23日の閣議決定で新たな対象分野となりました。対象の中心は、廃棄物処分業における中間処理です。

主な対象業務

  • 廃棄物の受入れ・選別
  • 中間処理設備の操作
  • 再資源化に関する作業
  • 搬出その他の関連業務

試験・受入れ開始予定

環境省は、協議会や試験等の実務的な受入れ準備を進め、2027年中に受入れを開始できるよう準備を進めるとしています。

2026年10月4日現在、特定技能1号評価試験の具体的な開催日は公表されていません。したがって、「2027年○月から必ず採用できる」と断定する段階ではありません。

4.新分野の試験予定を一覧で確認

分野現在の状況技能試験
リネンサプライ2026年6月1日から申請可能具体的開催日は未公表
物流倉庫分野追加済み・制度整備中本試験開始時期は未定(2026年9月時点)
資源循環2027年中の受入れ開始を目標具体的開催日は未公表

5.「新分野=誰でも採用できる」ではない

特定技能では、対象分野になったという事実だけでは足りません。実務では少なくとも、①会社が対象事業者か、②外国人の仕事内容が対象業務か、③分野独自の受入要件を満たすか、④外国人が技能・日本語要件を満たすか、⑤協議会加入等が可能か、⑥1号特定技能の支援体制を整えられるかを確認します。

会社の登記簿に対象事業が書かれているだけで判断することはできません。許認可、契約関係、実際の事業所、現場の作業内容まで確認する必要があります。

6.「技人国では難しかった仕事」が特定技能へ

今回の新分野追加の実務上の意味は、これまで「外国人を採用したいが、仕事内容に合う就労資格がない」とされてきた現場に、新しい正規の受入れルートができることです。

例えば、実際の仕事内容が倉庫内の仕分けやピッキングなのに、無理に「技術・人文知識・国際業務」で申請すれば、在留資格と実態の不一致が問題になります。今後は、本来特定技能で採用すべき人材を無理に技人国で申請しないという切り分けが一層重要になります。

7.試験開始前に企業が準備できること

試験日が未定でも、企業側には準備できることがあります。

  • 自社が対象事業者に該当するか確認する
  • 必要な許認可・登録を確認する
  • 担当させる仕事内容を整理する
  • 協議会の加入要件を確認する
  • 支援を自社で行うか登録支援機関へ委託するか決める
  • 国内採用・海外採用のルートを設計する
  • 採用予定人数と時期を決める

特に物流倉庫・資源循環は、試験開始後に採用需要が集中する可能性があります。試験が始まってから会社側の要件確認を始めるのではなく、先に受入体制を確認しておく方が実務的です。

まとめ

リネンサプライは2026年6月1日から在留資格申請が可能となっていますが、一般受験者向け技能評価試験の具体的な開催日は未公表です。

物流倉庫は対象分野に追加済みですが、2026年9月時点で特定技能1号技能評価試験の本試験開始時期は未定です。

資源循環は2027年中の受入れ開始を目標に制度整備が進められており、具体的な試験日はまだ公表されていません。

実務で確認するポイント

新分野では、「分野追加」「試験開始」「申請受付」の3段階を分けて確認してください。外国人を募集・採用する前に、会社側の受入要件まで確認することが重要です。

※本記事は2026年10月4日時点の厚生労働省、国土交通省、環境省等の公表情報に基づいています。試験日程・協議会・申請運用等は今後変更される可能性があります。