外国人を1人採用する申請と、同じ会社が同時期に5人・10人を採用する申請は、単純に書類を人数分コピーすればよいものではありません。人数が増えるほど、「この会社に本当にそれだけの専門業務があるのか」「誰が管理するのか」「どこで働くのか」という会社側の説明が中心になります。
固定の「何人まで」という基準は公表されていない
技人国について、従業員100人なら外国人10人まで、というような一律の人数基準は公表されていません。したがって「5人なら安全」「10人なら不許可」と人数だけで判断することはできません。
一方で、小規模会社が短期間に専門職外国人を大量採用する場合、その合理性を説明する負担が大きくなるのは実務上当然です。
大量申請では組織図が重要になる
例えば10人採用するなら、10人全員が同じ「海外営業」と書かれていても、それだけでは具体像が見えません。誰が営業責任者で、誰が新人を教育し、どの市場を誰が担当し、既存社員との役割分担がどうなっているのかを組織図で示すと、職務の実在性を説明しやすくなります。
- 部署別の組織図と人数
- 直属上司・管理者
- 各申請人の担当国・担当顧客・担当商品
- 既存従業員との役割分担
- 採用前後の人員計画
事業所面積・ワークスペースも無視できない
法律上「技人国1人につき○平方メートル」という基準があるわけではありません。しかし、10人を常勤採用すると説明しながら、実際の事務所に数席しかない場合は、勤務実態について疑問が生じます。座席、PC、会議スペース、在宅勤務制度、出社頻度等を含め、実際の働き方と事務所の規模を一致させる必要があります。
「大手も採っている」は小規模会社の説明にはならない
大手企業は年間数百人規模の新卒採用を行う例があります。例えばダイキン工業は2025年の大学卒・大学院修了の新卒採用総数を351人と公表しています。しかし、これは外国人だけの人数ではなく、また大手企業には多数の部署・管理者・事業拠点があります。小規模会社が外国人だけを5人・10人一括採用する場合、その採用比率や組織負担は全く異なります。
厚生労働省によると、2025年10月末時点で外国人を雇用する事業所は371,215所、外国人労働者は2,571,037人でした。単純平均では1事業所当たり約6.9人ですが、業種・規模による偏りが大きく、これは年間採用数でも許可基準でもありません。申請の「安全人数」を示す数字として使うべきではありません。
組織図、座席表・レイアウト、事業所写真、管理者経歴、売上・案件数、人件費計画、採用理由、各人の職務分担、入社後の研修計画等を案件に応じて確認します。
人数を減らせばよい、でもない
必要な人材が10人なら、事業上10人必要であることを説明するのが本筋です。人数を分割して申請すれば実態を説明しなくてよい、という発想は適切ではありません。大量採用ほど、採用計画そのものをビザ申請前に点検する必要があります。
参考資料
※記事は2026年9月24日時点の公表資料と当法人の実務上の整理に基づきます。個別案件では、最新の取扱いと具体的事情を確認してください。
