外国人採用で最も避けたいのは、内定・退職・引越しまで進んだ後に「この仕事内容では技人国が難しい」と分かることです。採用前に確認するポイントは複雑に見えますが、当法人では大きく5項目に分けて考えています。
1 会社――本当にその専門職を雇う事業があるか
会社の設立年、事業内容、売上、取引先、事業所、従業員数、組織を確認します。新設会社・赤字会社だから直ちに不可ではありませんが、専門職を継続雇用する合理性と事業継続性が必要です。
2 本人――学歴・専攻・職歴は仕事内容につながるか
大学・短大、専門学校、海外学歴では確認方法が異なります。専門学校卒では専攻と業務の関連性が特に重要です。卒業証明書だけでなく、成績証明書や職歴証明を採用前に確認した方がよいケースがあります。
3 仕事内容――職種名ではなく1日の仕事を説明できるか
「営業」「IT」「通訳」という名前ではなく、何を、誰に対して、どの程度の時間行うのかを確認します。必要なら1日・1週間のスケジュールにしてみると、専門業務が本当に中心かが見えます。
4 人数――会社規模に対して採用計画が急激すぎないか
外国人採用に一律の人数上限はありません。しかし、従業員3人の会社が一度に技人国10人を採用するなら、仕事量、管理者、売上、人件費、事務所座席等を相当具体的に説明する必要があります。大量採用は「1人分の申請を人数分出す」手続ではありません。
5 言語能力――対人業務では2026年の新運用も確認
2026年4月15日以降、カテゴリー3・4で主に言語能力を用いる対人業務等に従事する場合、CEFR B2相当の言語能力資料が追加されています。日本語ではJLPT N2以上等が一つの基準です。ただし、これは技人国全体に一律のN2要件が設けられたという意味ではありません。
会社規模/卒業学校・専攻/具体的な仕事/採用人数/使用言語。この5点を求人段階で確認するだけでも、後から在留資格と仕事内容が合わないリスクをかなり減らせます。
採用とビザを別々の工程にしない
日本人採用と同じ採用フローに、最後だけ「ビザ申請」を足すと、職務設計や契約条件のやり直しが起きやすくなります。外国人採用では、求人票を作る段階、遅くとも内定前に一度、在留資格上のチェックを入れることをおすすめします。
技人国は便利な就労資格ですが、何でもできる包括的な「就労ビザ」ではありません。会社・本人・仕事の三者が噛み合って初めて、申請の説明が一本につながります。
参考資料
※記事は2026年9月24日時点の公表資料と当法人の実務上の整理に基づきます。個別案件では、最新の取扱いと具体的事情を確認してください。
